CentOSでremiとEPELを使いphpのバージョンをアップ/ダウングレードする方法

こんにちは、伊藤です。前回phpに関する記事を書きましたが今回もphpについて書きます。

古いphpをバージョンアップせず放置しているとセキュリティの脆弱性にさらされるリスクがあるのでなるべく避けたいですね。CentOS7を使っている場合、公式のyumリポジトリが提供しているphpのバージョンが5.4.16となっているので、標準のままyum install phpを打つと古いphp5.4.16がインストールされます。

ただ、phpの公式サポート状況を見ると、2020年9月時点で7.1以下のバージョンは既にサポートが終了しているので、7.2以上をインストールする必要があります。しかし、7.2以上のphpは公式のyumリポジトリから提供されていないので、別のリポジトリからインストールする必要があります。

pkgs.orgというLinuxパッケージ検索サイトで探してみると、7.2以上のphpを提供しているリポジトリは多々あるようですが、今回は一般的に使われるremiと呼ばれるリポジトリから、phpの現行バージョンを7.2以上にアップ/ダウングレードする方法を解説します。

remiリポジトリとは

remiリポジトリは、サードパーティリポジトリと呼ばれる、CentOSが標準で用意している以外のサードパーティが提供しているリポジトリの一種です。

 

公式サイトによると、remiリポジトリの役割として

PHPスタックの最新バージョン、フル機能、およびその他のソフトウェアを、FedoraおよびEnterprise Linux(RHEL、CentOS、Oracle、Scientific Linuxなど)のユーザーに提供します。

が挙げられるようです。最新のphpをインストールできるということですね。

 

remiが提供しているパッケージには、php以外にもApacheやMySQLも入っているので、remiのパッケージを使うことでLAMP環境を構築できます。

remiの使用に際して注意点があります。最新のパッケージを入手できるものの、発見されてないセキュリティホールが残っていたりするので信頼性が不安です。また、remiはサードパーティリポジトリでCentOSのサポート対象外なので、利用は自己責任です。

 

前提条件

CentOS7を使用

 

EPELとremiの追加

①remiを使用するには、先に依存関係にあるEPELというリポジトリを追加します。(EPELもサードパーティリポジトリです)

 

②続いてremiを追加します

 

③epelとremiがインストールされたか確認します。

 

epel.repoとremi-phpが入っていればOKです。

 

phpのバージョンアップグレード手順

①まずは現在インストールされているphpとphpの関連モジュールを検索します。

 

remiのphp5.4.45がインストールされていました。

②新しいphpのバージョンをインストールする為に、アンインストールします。

 

③インストールしたいphpのバージョンのremiリポジトリを有効化します。

 

④phpをインストールします。

 

今回は7.3.22がインストールされました。

 

③を行わずに、yumのオプションでリポジトリを指定することも可能です。

その場合、下記のコマンドを実行してインストールします。

 

⑤phpのバージョンが7.3.22になっていることを確認します。

 

⑥Apacheを再起動します

 

⑦phpinfo();で、Apacheで読み込まれているphpのバージョンがphp7.3.22であることを確認します

 

 

これでphpのバージョンをアップグレードできました!

(確認後はセキュリティ対策の為作成したindex.phpを削除しましょう)

ダウングレードのやり方も同じ

今回はアップグレードしましたが、ダウングレードの場合もやり方は同じです。

手順③で、ダウングレードしたいバージョンのリポジトリを選択すればOKです。

 

CentOSでremiとEPELを使いphpのバージョンをアップ/ダウングレードする方法まとめ

  • remiはサードパーティリポジトリで、豊富なphpのバージョンを揃えており、アップ/ダウングレードが簡単にできる
  • remiを使うには、依存関係にあるEPELリポジトリを先に追加する
  • アップ/ダウングレードにはリポジトリ設定ファイル/etc/yum.repos.d/remiのリポジトリ で有効化設定する。yumのオプションで設定ファイルを編集せずにバージョンを指定してインストールも可能

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