Salesforce × AWS Partner Central を AWS Partner CRM Connector でつないでオポチュニティ登録を自動化した話【導入編】

こんにちは!エンジニアの岩間です。

 

AWS パートナー企業の方なら共感していただけると思うのですが、AWS Partner Central へのオポチュニティ登録、手動でやるとけっこう大変ですよね。Partner Central にログインして、顧客情報やプロジェクトの詳細を一つずつ入力して、ピックリストをポチポチ選んで…。案件の数が増えてくるとなかなかの作業量になります。

 

ギークフィードではこれまで案件管理を Excel で行っていて、APN のオポチュニティも手動で登録していました。最近 Salesforce を導入したのをきっかけに、「商談を登録したら APN にも自動で連携されるようにしたい」ということで、AWS が提供している AWS Partner CRM Connector(CRM Connector)を使って自動化に取り組みました。

 

この連載では全6回にわたって、AWS Partner CRM Connector の導入からカスタマイズ、ハマりどころまでをまとめていきます。同じように Salesforce と APN の連携を検討しているパートナー企業の方の参考になれば幸いです。

 

テーマ
第1回(本記事) 導入編 — なぜ AWS Partner CRM Connector を入れたのか
第2回 セットアップ編 — Guided Setup と指定ログイン情報のハマりどころ
第3回 フィールド設計編 — フィールド追加から日本語化・仕様突き合わせまで
第4回 ハマりどころ編 — パッケージのバグから仕様の罠まで
第5回 運用編 — 同期機能の使い分けと提出フロー
第6回 Backfill / Refresh 編 — 受信エラーとの戦い

 

AWS Partner Network(APN)とオポチュニティ登録

 

AWS Partner Network(APN)は、AWS のテクノロジーを活用してビジネスを展開する企業向けのパートナープログラムです。加入すると AWS の技術トレーニングや共同マーケティング、案件支援といったリソースを利用できます。ギークフィードも APN に加入していて、現在はアドバンスドティアのパートナーです。

 

APN パートナーは、AWS と共同で進めている案件を「オポチュニティ」として AWS Partner Central に登録します。登録すると AWS 側の担当者がアサインされて、技術支援や共同提案のサポートを受けられます。パートナーにとっては案件を有利に進めるための重要なプロセスです。

 

ただ、この登録作業が地味に大変です。1件のオポチュニティに入力するフィールドは数十項目あり、顧客の会社名や業種、AWS のユースケース、ステージなど、かなり細かい情報を求められます。

 

Excel で案件を管理していた頃は、Excel に書いた内容を Partner Central に転記するという二重入力の状態でした。入力漏れや転記ミスも起きますし、案件のステージが変わるたびに Partner Central 側も手動で更新する必要があります。正直、やらないといけないのはわかっているけど後回しにしがちな作業でした。

 

AWS Partner CRM Connector とは

 

AWS Partner CRM Connector は、Salesforce と AWS Partner Central の間でオポチュニティやリードを自動同期するためのマネージドパッケージです。AppExchange からインストールして使います。今回使用したバージョンは v3.15 です。

 

なお、ギークフィードでは AWS Partner Central 3.0 に移行済みの環境で構築しています。この連載の内容も 3.0 ベースです。

 

Salesforce 上で商談を作成・更新すると、ボタンひとつで AWS Partner Central にオポチュニティとして送信できます。逆に、AWS 側で更新された情報を Salesforce に取り込むこともできます。手動での二重入力が不要になるわけです。

 

AWS Partner CRM Connector が提供する主な機能は以下の通りです。

 

機能 説明
Share With AWS Salesforce の商談を AWS Partner Central に送信
Refresh From AWS AWS 側の最新情報を Salesforce に取り込み
Backfill AWS Partner Central の既存オポチュニティを Salesforce に一括取り込み
Field Mapping Salesforce と AWS 間のフィールド対応を定義

 

標準 Opportunity への移行を決めた理由

 

AWS Partner CRM Connector をインストールすると、awsapn__ACE_Opportunity__c というカスタムオブジェクトが作成されます。デフォルトではこのカスタムオブジェクト上でオポチュニティを管理する想定です。

 

ただ、Salesforce を導入した目的は案件管理の一元化です。一番大事にしたかったのは、日々商談を登録する営業担当者が迷わないことです。

 

ACE Opportunity を使うと、標準商談と ACE Opportunity の2つのオブジェクトにデータが分かれます。すると、約100フィールド分の双方向同期フローが必要になりますし、ユーザーがどちらのオブジェクトを編集すべきか迷って誤編集のリスクも出てきます。

 

標準の Opportunity に直接マッピングすれば、同期フローは不要で、編集先も1箇所で済みます。初期構築で88件のフィールド追加と100件のマッピング設定が必要になりますが、SF CLI と Claude Code を使えば数十分で終わります。運用のシンプルさを優先して、標準 Opportunity に直接マッピングする構成にしました。

 

フィールド設計の詳細については、第3回のフィールド設計編で書きます。

 

開発アプローチ — SF CLI × Claude Code で実稼働5人日

 

今回の構築は、Salesforce CLI と Claude Code を組み合わせて進めました。

 

Salesforce CLI を使うと、フィールド定義やページレイアウトなどのメタデータをコマンドベースで取得・デプロイできます。88件のカスタムフィールド作成や、819件のピックリスト値マッピングの設定を GUI でポチポチやっていたら気が遠くなりますが、CLI ならメタデータの XML を生成してまとめてデプロイできます。

 

Claude Code は、V14.3 の Partner Central API 仕様書と現行のマッピングの突き合わせや、フィールド設計の整理で活躍しました。100件のフィールドマッピングを1件ずつ仕様書と照合する作業は、人間がやると丸一日かかりそうな内容ですが、Claude Code なら一瞬です。

 

全体の期間は他のタスクと並行して約3週間でしたが、実稼働にすると5人日くらいです。途中 AWS サポートに3回問い合わせましたが、いずれも1日以内に回答をいただけて大変助かりました。

 

ドキュメントと情報源について

 

AWS Partner CRM Connector の公式ドキュメントは AWS から提供されています。

 

https://docs.aws.amazon.com/ja_jp/partner-central/latest/crm/aws-partner-crm-connector.html

 

セットアップ手順や基本的な設定方法はここに書かれているので、まずはこのドキュメントを一読しておくのがおすすめです。

 

ただ、実際にカスタマイズを進めていくと、公式ドキュメントだけでは解決できない場面がけっこう出てきます。加えて、AWS Partner CRM Connector に関する先人のブログ記事もほとんど見つからず、手探りで進める場面が多かったのは正直なところです。

 

この連載では、そうした公式ドキュメントだけではたどり着けなかった実践的なノウハウやハマりどころをできるだけ具体的に残していきます。同じ道を歩む方が少しでも楽になれば幸いです。

 

おわりに

 

今回は、Excel での案件管理から Salesforce + AWS Partner CRM Connector による APN オポチュニティ登録の自動化に至った背景と、全体のアプローチを紹介しました。

 

Partner Central にポチポチ手入力していた頃と比べると、Salesforce の商談画面からボタンひとつで AWS に連携できるのはだいぶ楽になります。ただ、ここに至るまでにはフィールド設計やマッピングの調整でそれなりにハマっています。

 

次回はセットアップ編として、Guided Setup の手順や指定ログイン情報のハマりどころについて書いていきます。

 

岩間(@iwm_gnbr)でした。

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