こんにちは、意識高い系MCP量産エンジニア社長の内です。
皆さん、Twilioで電話やSMSの開発をしていて、こんな経験ありませんか?
「あれ、発信したのに電話が鳴らない…」
「SMS送ったはずなのに届いてない…」
こういうときに我々エンジニアがまずやることは、Twilioの管理コンソールにログインして、Monitorページを開いて、ログを一覧表示して、エラーコードを見つけて、エラー辞書で意味を調べて…と、まぁ地味に面倒なデバッグ作業が待っているわけです。
しかも、このデバッグ作業って、実は生成AIが一番得意な分野なんですよね。ログを見て、エラーコードの意味を調べて、原因を推測して、修正方法を提案する。人間がブラウザとドキュメントを行き来してやっていたことを、AIならものの数秒で完結できます。
そこで我々ギークフィードでは、Twilio Monitor MCP Serverを開発して、GitHubとnpmjsにOSSとして公開しました。
GitHub: https://github.com/geekfeedjapan/mcp-twilio-monitor
npm: https://www.npmjs.com/package/@geekfeed/mcp-twilio-monitor

目次
MCP(Model Context Protocol)とは
MCPについてはご存知の方も多いと思いますが、ざっくり言うとAIと外部ツールをつなぐための標準プロトコルです。Anthropicが策定したオープンスタンダードで、AIエージェントが外部のAPIやサービスに安全かつ標準化された方法でアクセスできるようにする仕組みです。
Claude DesktopやCursorなどのMCPクライアントに設定を追加するだけで、AIが直接Twilioのログを取得して分析してくれるようになります。人間がブラウザでポチポチやっていた作業を、AIに自然言語で依頼するだけで完結する世界です。

公式Twilio MCPがあるのに、なぜ作ったのか
「Twilioの公式MCPサーバーあるじゃん」と思った方、するどい。
Twilio公式の@twilio-alpha/mcpは、1,400以上のエンドポイントをカバーするオールインワンのMCPサーバーです。電話番号の取得・発信・SMS送信からStudio Flowの操作まで、Twilioでできることはほぼ全部できます。Monitor APIも--services twilio_monitor_v1を指定すればアクセスできます。
今回のmcp-twilio-monitorは、その中から「開発中のデバッグ」というワンシーンだけを切り出して最適化したものです。
| 公式 @twilio-alpha/mcp | @geekfeed/mcp-twilio-monitor | |
|---|---|---|
| カバー範囲 | Twilio全API(1,400+エンドポイント) | Monitor API(アラート・イベント)に特化 |
| 得意なこと | 電話番号取得、発信、SMS送信、Studio Flow操作など | エラーログ確認、アラート取得、イベント履歴の分析 |
| セットアップ | –servicesや–tagsでフィルタリング + APIキー発行 | Account SID + Auth Tokenだけで即利用可能 |
| 位置づけ | Twilioを「操作する」(アクション系) | Twilioを「調べる」(分析・デバッグ系) |
どちらが優れているという話ではありません。役割が違います。公式MCPはTwilioの全機能をAIに使わせるための汎用ツール、mcp-twilio-monitorは「なんで動かないのか」をAIに素早く調べてもらうための専用ツールです。
そして一番伝えたいのは、どちらを使うにしても、AIとMCPでTwilio開発のデバッグサイクルを自動化できるということ。ツールはどれでもいいので、まずはこの体験をしてみてほしいです。
セットアップは驚くほど簡単
Claude DesktopやCursorのMCP設定ファイルに以下を追加するだけです。
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{ "mcpServers": { "twilio-monitor": { "command": "npx", "args": ["@geekfeed/mcp-twilio-monitor"], "env": { "TWILIO_ACCOUNT_SID": "your_account_sid", "TWILIO_AUTH_TOKEN": "your_auth_token" } } } } |
npxで直接実行するので、グローバルインストールも不要。設定して再起動したらすぐ使えます。
実際の開発フローがどう変わるか
ここが一番伝えたいところです。
Before: 従来のデバッグフロー(人力)
- Twilioで電話をかける / SMSを送る
- 期待通り動かない
- ブラウザでTwilioコンソールにログイン
- Monitor → Alerts / Events を開く
- 該当のログを目視で探す
- エラーコードをコピーしてTwilioのError Dictionaryで検索
- 英語のドキュメントを読んで原因を特定
- コードを修正
- 1に戻る

所要時間:1イテレーションあたり10〜30分
やったことある方ならわかると思いますが、特にステップ5〜7が地味にストレスなんですよね。ログの量が多いと目視で該当のアラートを探すだけでも一苦労です。しかもエラーの説明は英語。非ネイティブにはなかなかハードルが高い。
After: MCP経由のAIデバッグフロー

- Twilioで電話をかける / SMSを送る
- 期待通り動かない
- AIに「さっきの発信が失敗したみたいなんだけど、Twilioのログ見て原因教えて」と聞く
- AIがMCP経由でMonitor APIにアクセスし、アラートやイベントを取得
- エラーコードの意味、考えられる原因、修正方法まで一気に回答
- コードを修正
- 1に戻る
所要時間:1イテレーションあたり1〜3分
つまり、開発〜テスト〜ログ解析〜修正のサイクルが圧倒的に短くなります。ステップ3〜5が完全にAI任せになるので、人間はコードを書くことに集中できます。
ユースケース:こんなときに便利
ケース1:「電話が鳴らない」
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あなた:「+81xxxxxxxxに発信したけど、相手の電話が鳴らない。 Twilioのログを確認して原因を教えて。」 AI:「Twilioのアラートを確認しました。Error Code 13224が記録されています。 これは発信先の電話番号のフォーマットが不正であることを示しています。 E.164形式(+81から始まる形式)で番号が指定されているか確認してください。 現在のWebhookリクエストでは番号が '0X0-XXXX-XXXX' の形式で 送信されています。」 |
ケース2:「SMSが届かない」
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あなた:「テスト用のSMS送信が全部失敗しているみたい。最近のエラーを見て。」 AI:「直近1時間のアラートを確認しました。 Error Code 21608が5件記録されています。 このエラーは、SMS送信に使用している電話番号に SMS機能が有効化されていないことを示しています。 Twilioコンソールで該当番号のCapabilitiesを確認し、 SMSが有効になっているか確認してください。」 |
ケース3:「Webhookがタイムアウトしている」
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あなた:「着信時のWebhookが動いてないっぽい。調べて。」 AI:「イベントログを確認したところ、 過去30分間にWebhookリクエストが12回タイムアウトしています。 Error Code 11200(HTTP retrieval failure)が記録されており、 WebhookのURL 'https://example.com/voice' への接続が タイムアウトしています。 サーバーが起動しているか、ファイアウォールでTwilioのIPレンジが ブロックされていないか確認してください。」 |
これらは全て、従来であればTwilioのコンソールにログインして、目視でログを確認して、英語のドキュメントを読み解いて…という作業が必要だったものです。それが自然言語で聞くだけ。英語のエラードキュメントを読む必要すらないというのは、地味に大きなメリットだと思っています。
我々がこれを作った背景
ギークフィードでは、クラウド型通話録音・音声解析プラットフォーム「YouWire」を開発・提供しています。通話録音という性質上、Twilioをはじめとする様々な電話基盤との連携は日常茶飯事です。
日々の開発の中で、「Twilioのログ確認→エラー解析」は避けて通れない作業でした。
そんな中、MCPという仕組みが登場して「これだ!」と。Monitor特化のMCPサーバーがあれば、自分たちの開発効率が上がるだけでなく、Twilioを使うすべての開発者の助けになるだろうと考え、OSSとして公開することにしました。
ちなみに弊社では、自社サービスのYouWire向けにもMCPサーバーを開発・公開しています。通話録音データにAIがアクセスして、検索や分析ができるようになっています。MCPというプロトコルの汎用性の高さには、本当に可能性を感じています。
まとめ
Twilio開発において、「つながらない」「届かない」「動かない」のデバッグは避けて通れません。しかし、そのデバッグ作業の大半は「ログを見る→エラーコードを調べる→原因を推測する」という、まさにAI向きの作業です。
mcp-twilio-monitorを使えば、このデバッグサイクルをAIに丸投げできます。セットアップもnpx一発で完了するので、Twilioで開発している方はぜひ試してみてください。
GitHub: https://github.com/geekfeedjapan/mcp-twilio-monitor
npm: https://www.npmjs.com/package/@geekfeed/mcp-twilio-monitor
日本語README: README.ja.md
Issueやプルリクエストも大歓迎です。「こんな機能が欲しい」「ここがおかしい」があれば、お気軽にどうぞ。
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通信×AI×クラウドの領域で、今回のようなOSSの開発やYouWireのようなプロダクト開発に興味がある方は、ぜひお声がけください。MCP、AWS、Twilio、音声認識…面白い技術に触れ放題です。
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